こんにちは!長野県松本市で宿や半弓場を運営しています、又吉です。
僕は2018年1月1日から宿経営を始めて、もう少しで丸4年になります。
その間に大小含め色々な事業を始めた中から失敗した事業3つ+番外編を紹介したいと思います。
目次
-失敗した事業-
1 . マウンテンバイクレンタル事業
開始時期:2018年夏ごろ
終了時期:2020年夏ごろ
かかった費用:約17万円(1台8.5万円×2台)
これは運営するゲストハウスにて、宿泊者向けに折り畳み自転車の無料レンタルをしていたのですが、その小さい自転車で松本から隣町の安曇野にある大王わさび農場まで(往復30km!)行く方が多くいたことからサイクリング需要を感じ始めました。
まずは宿泊者向けレンタルから始め、松本にはマウンテンバイクレンタル店が無かったことから、徐々に宿泊者以外にも向けたレンタルを始め規模を大きくしていこうと考えていました。
レンタル価格はうろ覚えですが、一日2,500円程で設定したと思います。
◎失敗要因
高かった。当時、無料で貸し出していた自転車も折り畳みとはいえ【快適】だったので、その横に【もうちょっと快適】な2,500円の自転車を置いても誰も借りません。よく考えればわかる事ですね。
そこから徐々に価格を落とし、最終的に一日500円まで下げたのですがそれでも借りる人は少なかったです。その頃には松本市が無料レンタル自転車を大々的に始めていました。
また、宿泊者の目的は快適なサイクリングではなく、【大王わさび農場へ行く】ことだったので、そもそものターゲティングミスですね。
◎学び
僕的には長距離もすいすい快適な自転車で2,500円は安い!と考えていましたが、顧客単価3,000円ちょっとの宿では高かったようです。最近読んだ本【START UP アイデアから利益を生み出す組織マネジメント 作ダイアナキャンダー】にて「顧客は片頭痛級の問題にしかお金を出さない」と言っていますが、このマウンテンバイクレンタルは、お客さんからしたら片頭痛級の問題でもなんでもなかったんですね。
2 .電動キックボードレンタル事業
開始時期:2019年秋ごろ
終了時期:2021年秋ごろ
かかった費用:約50万円(1台16~17万円×3台)
また懲りずにレンタル事業を始めました(笑)
今度は初期費用も前回の3倍程になっていますね。
これは、2018年の冬に台湾をキックボードで旅した時に思いつきました。
海外を旅行する時僕はなるべく自由に動き回りたい派なのですが、公共の交通機関を使用すると決まったルートにしか行けないので、台北で普通のキックボードを購入しキックボードとバスを併用し旅をしました。
(本当は原付レンタルが気軽に出来るといいのですが、国際免許や保険などの関係で難しいですよね)
帰国後、キックボードについて色々調べているうちに、欧米では電動キックボードが流行っている事、日本でも最近電動キックボードレンタルや販売をしている団体がある事を見つけ早速購入をしました。
今回はいきなり宿泊者以外に向けてレンタルを開始しようと考えていました。
料金は30分1,000円、2時間2,500円、24時間5,000円ほどに設定したと思います。
◎失敗要因
理由は2つあります。1つ目はナンバーを取得するのにとても時間がかかり、開始タイミングを逃しそしてやる気が萎えたこと。電動キックボードは原付として市役所の市民税課にてナンバー登録しますが、2019年の6月に最初の申請をし、ナンバーが出たのがたしか10月です。5カ月ほどかかったと思います。
電動キックボードに乗るには寒い時期になってしまいました。
当時、東京などの首都圏では電動キックボードは普通にナンバー登録できていましたが、長野県では初めてだったようで、役所の職員もナンバーを出していいのかよくわからなかったらしく、「会議をするので3週間後にまた来てください」というのを繰り返し、結局5カ月ぐらいかかりました。
役所の方も面倒ごとに関わりたくなかったのでしょうね。
2つ目の理由は、町中で乗るには危ないと買った後に気づいた(笑)こと。
田舎の田んぼ道や湖の周りなどで乗るにはとても快適ですが、車道を走る分、信号の多い町中では慣れてないと危ないな、と後になって思いました。
開始前からお問い合わせもちょこちょこ頂き、たしかに需要はあったと思います。
ただ電動キックボードは、5分10分で簡単な操作説明をして貸出す、ではなく、最低でも1週間ほどは田舎道で使用し操作に慣れて、それから町中でも乗るようなものだと思いました。不思議な乗り物なので操作が少し難しいですね。
そんなこんなでレンタル開始に二の足を踏んでいるうちに、終了です。
◎学び
まず、僕は乗り物をレンタルする事業は向いてないな、と思いました。
僕はマウンテンバイクや電動キックボード、バイクにも乗るし2輪車全般好きなのですが、事業にすると全然モチベーションが上がりませんでした(笑)
そしてもう一点、電動キックボードのように珍しい事業はライバルが全くいないので、集客もしやすく、気が楽でいいのですが、その分始めるハードルも高く、継続し周りの理解を得るのも大変だったと思います。
3 .オリジナルTシャツ印刷製造販売事業
開始時期:2020年秋ごろ
終了時期:—
かかった費用:約180万円
今度も初期費用は前回の3倍程になっていますね。笑
2020年4月、コロナウィルスにより緊急事態宣言発令、旅行者は一切いなくなり売上が98%程吹き飛びました。旅行する人は一切いなくなり、宿泊以外の売上をすぐにつくらねばと考えているときに、よその宿がオリジナルTシャツやオリジナルグッズを販売しているのを目にし閃きました。
よーし、うちは業務用の印刷機を入れて自前でデザインから印刷販売まで全てやれば利益率が上がるぞ!と。
Tシャツ印刷機が100万円ちょっと、その他インクや付属品Tシャツやらで30万円、ECサイトで50~60万円程を使いました。
◎失敗要因
1. テンションが上がらなかった
2. プリンターの管理がすごい大変!!
3. そもそもデザインだけ考えて印刷は外注に出す方が随分楽だし安い
4. 印刷請負業になると地方都市でもライバルは多いし、他の店は値段がすごい安い
5. 物販業は初めてだったので、なにからどう始めれば上手くいくのかわからなかった
◎学び
デザインTシャツや古着Tシャツなど昔からTシャツは好きで僕の趣味の領域なのですが、好きなものを需要も調べずに見切り発車で始めると大体上手くいかないな、と思いました。
そして、機械類は購入価格も高いし、さらにその後のメンテナンスがとても大変なので迂闊に手を出してはいけない、と思いました。
電動キックボードにも言えることですが、大事なのはスモールスタートです。
いきなり購入ではなく、リースから始め売上が伸びてきたら購入して大きくしていく。
Tシャツ印刷機も、まずはデザインだけ考えて外注し、売上が伸びてきたら大きくしていく。
このあたりの商売の基本中の基本を身をもって感じました。
今後は忘れません。
さらにもう一点、電動キックボードしかり、Tシャツ印刷機しかり、販売者と最初に会った時に「違和感」を感じたんですよね。なんとも表現しがたい勘に近いものですが、その時は気にせず突き進んだのですが、今になって考えると最初に違和感を感じる人や物とは取引を慎重に進めるべき、と思いました。
・よく調べもせず趣味を事業にするな
・最初に違和感があったら取引は慎重に
この2つが大きな学びです。
-番外編-
4.シェアハウス運営
開始時期:2017年秋ごろ
終了時期:2020年初め
かかった費用:——
ゲストハウスを始めるちょっと前に松本駅近くに自宅用の大きい一軒家を借りたのですが、部屋がたくさん余っていたので友人知人宿スタッフ向けのシェアハウスを始めました。
特に商売として始めたわけではないので番外編とさせて頂きます。
◎失敗要因
部屋はすぐ満員になったのですが、問題が2つありました。
1. 特にルールを決めていなかった
2. 近隣トラブル
1.のルールについてですが、シェアハウスを始めた時公に募集して始めたわけではなく、直接や友達づてに人を集めたので特にルールを決めずなあなあに始めました。
そうなるとやっぱり問題が出てきます。
家に長くいる人もいれば、ひと月に2回しか返って来ない人もいて、年齢は10代~70代までいます。
掃除はどうするか?共有スペースの使い方、冷蔵庫の使い方、自分の事は自分で出来る人、そうでない人、などなど細かな問題が出てきます。
2. の近隣トラブルは、その家は立地や家賃の条件がとても良い分(条件がものすごい良いのにしばらく借り手がいないのが不思議だった)、不動産が隠していた土地の問題がありました。大きな駐車場の中に一軒ぽつんとたつ我がシェアハウスは家の所有者と土地の所有者が別で双方の仲が悪く、さらに不動産屋も話をはぐらかすタイプで、「家の所有者」、「土地の所有者」、「不動産屋」、の間でなぜか我々店子(家を借りている人)が間を取り持ち翻弄される、という不思議な物件でした。
結局最後はもう色々面倒なので家を解約し、そこでシェアハウスは解散しました。
◎学び
・最初にルール決めを行う事
・なんらかの共通点がある人で住むこと
・自分の事は自分で出来る自立した人のみで住むこと
・訳アリ物件の場合は契約前の下調べを入念に。そして不動産屋や家主との会話で大事な部分はきちんとメールなどの文章にして保存しておくこと
などなど、やってみないと色々わからないですね!
そんなこんなでお読み頂きありがとうございました!!
またよしでした